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デジタルとアナログの狭間で

文具、デジタルガジェット、お料理、そしてバロック音楽について浅く広く徒然なるままに書きます

万年筆を斬る! ~その6~

本日は金ペンについて。

 

どうやら一般に金ペンは「柔らかい」という認識があるようです。
私は

 

「これは18Kだから柔らかい」

「これは21Kだから柔らかい」

 

という表現にとても違和感を感じます。

 

確かに、セーラーの 21K の万年筆や、King of Pen (King Profitのこと)など柔らかい為、というよりも、キャラット数を上げたペンを意図的に柔らかく作っている きらい があるのでもしかすると広告的にそう見えるように情報操作しているのかもしれません。

 

確かに「金」は柔らかい。
しかしここに語弊がある。

 

万年筆において

「柔らかい」

と表現しているものは、正確に言えば

「ペン先が弱い力でもしなり易く、かつ弾力がある」

ということで、決して「柔らかい」ということではないのです。

 

代表選手が PILOT の フォルカンニブ。

※アルファベットで書くと同じですが、ファルコン=Elaboとは違いますから注意が必要。

ファルコン=Elaboはペン先の柔らかさではなくて、ペン先の自由度を売りにしている商品ですので決して柔らかい製品、というわけではありません。

 

ただ、この「弱い力でもしなり易い」という現象を柔らかいと表現している人が多いのだと思います。

 

一方、金の特徴は金属として「柔らかい」が「弾力はない」

 

純金=24K でペン先を作った場合、力を入れたらペン先は曲がり易くなるが、曲がった場合永遠に同じ形状にもどらない、、、ということになります。

だから宝飾品は24Kで作れない。


となると、弾力を付けるのは何か?

 

簡単です、金以外の含有金属に依存するか、もしくはペン先の板厚を薄くする。

したがって、同じ金属類の掛け合わせであれば、金の含有量が増えるにしたがって「硬いペン先」になるのが自然です。

 

ということから、
PAKER DuofoldPILOT Custom 845 などの18K のペン先がコリコリ硬い手ごたえなのものも納得のいくところで至極オーソドックスなペンの作り方と言えます。

 

逆にセーラーの King of Pen など あの柔らかさより21K は通常とは異なる金属を用いてると推測されます、さすがにあれだけデカイペン先の板厚を薄くするとは思えない・・・

(手にしたことありますが、全く興味がなかったため試筆しなかったのが残念)

 

通常と異なる金属、という観点では現代の有機ELよろしく、長い目で見た時に「耐久性があるかどうか?」は不明です。

なぜならば、セーラーが23K製品を出し始めたころからまだ半世紀も経過していなため。

一応加速試験はしていると思います。

でも、加速試験と実際は往々にして違います。

(建築業界でも、電子部品業界でも全く違います)

金の含有率が高くなるため確かに耐食性は上がると思いますが、、、どうなんでしょうか? 確かなことは言えませんね。

 

私は今唯一のビンテージ万年筆、 推定1928年製造の ONOTO を持っていますが錆びることもなくペンニブは錆びることなくキンキラキンです。

おおよそ90年を経ても錆び一つないのはやはり、14Kたる所業だとつくづく感心しています。

 

世間だと、金ペンだ金ペンだ、ともてはやしていますが、金を使っている主な理由は

 

「酸などによる影響を受けにくくするため」

 

ということが一番の役割だと考えるのが自然ではないでしょうか?

財産を携帯するという目的の宝石としては量が少なすぎますし。

 

 

こんな記事を書いたのは、正直なところ、 

 

金ペン以外は万年筆にあらず

金の含有量が多い方が柔らかい

 

と言う旨の説教を垂れた人がいるため、腹が立ったのでその反論的に書きました。

これが多いんですよ・・・ホントに・・・。

 

実際金の含有量が多いほど柔らかいと思っている人が多いと思います。

 

金の含有量が多いのでより酸やアルカリに強い、材料として単純に価値がある、という利点はありますが、柔らかさとは別問題ということを認識していただきたくこのような記事をあえて書きました。

 

これを機に、金の含有量という広告に惑わされずに、ご自分の好みに目を向けられるよう、ご承知おき頂ければ幸いです。